てくてくとぼとぼ

今日は久しぶりに
犬と祖母の家まで散歩した
そして祖母の家からぐるりと
1キロほどある回り道を歩いた
中学高校の頃はよく歩いた道

てくてくと
記憶と今を目と心とどっかを
照らし合わせたり感じたり
しながら歩いた

その道の途中に
二つほどある祖母の畑は
冬の時期だからなのか、それとももう使わないのか
草と枯れ葉におおわれていた。
この畑も、祖父が生きてた頃は
青々しいキャベツやゴーヤから
ブルーベリーや柿の木まで
季節を通して、いろいろな色があった


幼い頃から、祖母の実家へつれてきてもらえば
どこかの畑にいる祖父母へ「きたよー!」と叫び

「こっちよー!!」と返事が来れば
一目散に声のした方へと走って行く
すると、大体こちらの畑では
くわをもって畑を耕す祖父と
しゃがんで種をまいたり草をとる祖母が
「きたやー(よくきたねの方言)」と
優しい笑顔で迎えてくれた。

その笑顔を見るといつも安心して
ほっとするのだった
それは今も、変わらない。

そんな風景は今は無いけれども
目を閉じればすぐにうかんでくる。

そしてまた、どこからか
いないはずの祖父がひょっこりでてくるのでは?
とあり得ない期待を思ってしまう
それぐらいに、目の前は枯れ葉雑草でも
空気も山の色も変わってなかった

その先をまた歩けば、少し高台に神社がある。
数年前改築されて
以前は赤い屋根だったのが茅葺きにかわっていた
犬と初詣
ここはいつも誰もいない
それでも
ここはいつの間にか重要指定文化財になっていた。
そしてあの神社の奥には、大きな岩穴があって
昔大蛇がすんでいたと言う。
神社から再び祖母の家へと歩く

これからのこと、いままでのこと
ごちゃごちゃ考えるけども
歩きながら感じた、冷たい風や草の匂い
変わらない形でどんっとあちらこちらに居座る山
育ててもらった自然の強烈な包容力に
「大概なんでも大丈夫だ」
と言われているような気がして
そしたら
そのとき
この場所からもう一度、自分を築いていこう
すこしどん!っと意思を構えた
胸にスッと心にズドンっと。
たくさん歩いた今日は
すこし中身も一歩前に進んだのかもしれない
とても清々しく穏やかな
不思議な一日だった

今日は身体も精神も心朗らか安らかに
眠りの世界へゆけそうだ。


マイフェアレディ明日だな
今日もモモを読み読みいざ睡眠